幼稚園の頃からの夢であるプロゴルファーを、2回目のプロテストで見事叶えた中村心(なかむら・こころ)プロ。
東京生まれながら、山口県でゴルフの腕を磨いた彼女は、どのような教育機関で学び、プロへの道を歩んだのでしょうか。
父親がゴルフコーチを務め、姉もゴルファーというゴルフ一家に育った中村心プロ。
本記事では、彼女の出身中学、高校、大学、そして家族の支えや「トミーアカデミー」での指導など、プロゴルファーになるまでの道のりを詳しくご紹介します。
中村心の父親はコーチ⁈姉もゴルファー!
中村心プロのゴルフコーチは、父親の英治(えいじ)氏です。
英治氏は一般の方であるため、その職業は公表されていません。
中村心プロは6歳まで東京で過ごし、その間は「ロッテ葛西ゴルフ」のレッスンプロに師事していました。
その後、父親の転勤に伴い家族で山口県へ移住し、山口県を拠点にゴルフの練習に励むことになります。
山口県はジュニアゴルファーの育成環境が必ずしも充実しているわけではないため、中村心プロは父親の指導の下で、厳しい環境の中、練習を重ねてきました。
彼女の主な練習場所は、山口市内にある「ベスト・ゴルフセンター」や、湯田温泉街を一望できる「湯田カントリー倶楽部」でした。
これらのゴルフ場の協力も、彼女の成長を支える大きな力となりました。
父親の英治氏は、独学でゴルフに関する書籍を読み込み、試合を録画して研究するなど、熱心に指導法を確立してきました。
英治氏が指導したのは心プロだけではありません。
姉の優海(ゆうみ)氏もゴルファーであり、心プロがゴルフを始めるきっかけはお姉さんの影響でした。
現在、優海氏はティーチングプロを目指しています。
姉の優海氏もまた、地元ではなく岡山県の岡山理科大学附属高校に進学し、ゴルフ部の環境が整った高校を選択しました。
彼女は同級生の桑木志帆プロのキャディを務めた経験があり、もちろん妹の中村心プロのキャディも務めています。
母親の佳世氏も、練習の手伝いや試合の遠征時の運転など、家族一丸となって中村心プロを支えています。
佳世氏は、心プロの利き手について、右利きを左利きに矯正することで「右脳を鍛えるため」というユニークな指導を行い、結果的に心プロは両利きになりました。
これはゴルフプレーにおいても、様々な局面で有利に働く特性と言えるでしょう。
中村心の中学、高校、大学はどこ?大学進学の理由は?
中村心プロは2005年10月生まれの東京都出身です。
家族は父親の英治氏、母親の佳世氏、そして姉の優海氏の4人家族です。
姉の影響で5歳からゴルフを始めた中村心プロは、先にゴルフをしていた姉を見て自分もゴルフ道具を欲しがったことがきっかけとされています。
幼稚園の卒業アルバムには「プロゴルファーになりたい」と記しており、幼い頃からの強い夢を抱いていたことが伺えます。
学歴とゴルフキャリア:
- 中学校: 山口市立大内中学校を卒業。中学時代には「中学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝するなど、早くからその才能を発揮していました。
- 高校: 滋賀県にあるECC学園高等学校(通信制)に進学しました。
姉の優海氏とは異なる高校を選んだ理由として、英語学習の充実と「ゴルフに多くの時間を充てられること」が挙げられます。また、同校に新設されたゴルフ部にはメンタルコーチなど専門家が揃っており、その環境も進学の決め手となりました。通信制であるため、登校は年に数回程度で、オンラインでの授業とレポート提出が主な学習スタイルです。
これにより、「ご飯を食べているときと、試合などで移動しているとき以外は基本クラブを握っている」と語るほど、ゴルフに集中できる時間を確保していました。
将来的な海外での活躍を見据え、英語学習に力を入れつつ、地元で父親のコーチングを受け続けられる環境を選んだと推測されます。
目標とするプロは米国女子ツアーの**ジーノ・ティティクル(タイ)**選手です。
- 大学: 高校卒業後は、通信制の人間総合科学大学に進学しました。
彼女は当初、大学進学の予定はなかったものの、プロゴルファーとしての経験を積むためにナショナルチーム入りを目指す中で、その選考基準に高校・大学の在籍が必須であることが判明しました。
このため、急遽進学先を探し、通信制の人間総合科学大学を選択しました。
「ゴルフ部はないけど、心理的な勉強もできるし、通信なので試合にも出やすい」(引用元:GDOニュース)
と語るように、オンラインで学びながら海外転戦で経験を積むという道を選びました。
通信制大学は、プロゴルファーとしての活動と学業の両立を可能にする選択肢となっています。
中村心のプロテストまでの道のりは?中嶋常幸の「トミーアカデミー」出身⁈
中村心プロは、2023年2月に中嶋常幸プロが主宰する「トミーアカデミー」に参加し、その実力が認められて入塾を果たしました。
通常は入塾テストがあるものの、実力者は優遇されるケースがあり、中村プロの高いポテンシャルが評価されたものと推測されます。
2023年には、「日本ジュニア選手権 女子15歳~17歳の部」で優勝し、「日本女子オープン」ではローアマチュアのタイトルを獲得するなど、プロテスト前に輝かしい実績を残しました。
同年のプロテストでは、最終ラウンドまで進んだものの61位タイで惜しくも不合格となりました。
しかし、その直後にアマチュアゴルフの最高峰の世界大会である「オーガスタナショナル女子アマチュア」の招待状が届き、国際的にもその実力が認められていることを示しました。
彼女はプロテストの不合格について「落ちてよかったとは思わないけど、アマチュアのままだったからこそ、こういう経験ができるから良い方向にいっているな、と今は捉えて前向きな気持ちで」と語っており、常にポジティブな姿勢で自身のキャリアを捉えています。
残念ながら予選敗退に終わったものの、貴重な経験を得たことは間違いありません。
2024年にはナショナルチームにも選抜され、人間総合科学大学への進学がその条件を満たす上で有効に作用しました。
「トミーアカデミー」では、ゴルフ界のレジェンドである中嶋常幸プロから直接指導を受け、特にアプローチなどの小技を徹底的に磨きました。
そして2024年、2回目のプロテストで見事合格を果たしました。
この2024年のプロテストでは、合格者26名中7名が「トミーアカデミー」の現役生または卒業生であり、その育成力の高さが際立ちました。
- 現役生: 中村心、入谷響、前田羚菜、山口すず夏
- 卒業生: 都玲華、六車日那乃、平塚新夢
これらの選手たちは、今後ツアーを賑わせるであろう実力派ゴルファーたちです。
2025年のルーキーイヤーでの中村心プロの活躍が、今から非常に楽しみです。
中村心はNHK山口で紹介される「夢をあきらめない」
中村心プロは、NHK山口で「夢を叶えたプロゴルファー」として紹介され、その半生が取り上げられました。
彼女は、山口県宇部市の原小学校で講演を行い、小学生に向けて自身の経験を伝えています。
卒業文集に「プロゴルファーになる!」と記した幼少期からの夢を現実にした中村プロの存在は、ゴルフが身近でない小学生にとっても、夢を諦めずに努力することの重要性を伝える、具体的なお手本となったことでしょう。
彼女が通信制高校に進学し、ゴルフに打ち込むことでプロゴルファーの夢を実現したことは、多様な学び方やキャリア形成の可能性を示しています。
通学が必須という従来の高校教育の固定観念が薄れつつある現代において、好きなことを極め、それを職業にすることは十分に可能な選択肢であることを、彼女の成功が証明しています。
そこには、絶え間ない努力と決して諦めない強い気持ちが不可欠であるというメッセージが込められています。
まとめ:中村心の夢を追い続けた軌跡と今後の展望
今回は、幼い頃からの夢を実現させたプロゴルファー、中村心プロのこれまでのキャリアを詳しくご紹介しました。
- 中村心プロは2005年10月生まれの東京都出身ですが、家族の転勤で山口県へ移住し、その地でゴルフの腕を磨きました。
- 山口市立大内中学校を経て、高校は滋賀県の通信制ECC学園高等学校、大学も通信制の人間総合科学大学に進学。
学業とゴルフの両立を図りながら、競技に集中できる環境を選びました。 - 父親の英治氏がゴルフコーチを務め、姉の優海氏もティーチングプロを目指すゴルファーであるなど、家族一丸となって彼女のゴルフ人生を支えています。
- 地元の「ベスト・ゴルフセンター」や「湯田カントリー倶楽部」を練習拠点とし、さらには中嶋常幸プロ主宰の「トミーアカデミー」でも専門的な指導を受け、アプローチなどの小技を磨きました。
- 2023年には「日本ジュニア選手権」優勝や「日本女子オープン」ローアマチュア獲得といった実績を積み、2024年には2回目の挑戦でJLPGAプロテストに合格しました。
- プロテストの不合格という経験をもポジティブに捉え、ナショナルチーム選抜や「オーガスタナショナル女子アマチュア」招待など、貴重な経験を積んできました。
幼少期からの夢を諦めず、家族の支えと恵まれた指導環境の中で着実に成長を遂げてきた中村心プロ。
その努力と前向きな姿勢は、多くの人々に勇気を与えています。
2025年のルーキーイヤーでの彼女の活躍に、大いに期待し、共に応援していきましょう!
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